シン・ゴジラ(映画:2016年)

  • 最初から最後まで「映画」を見ている事を忘れない作品だった、「映画」以外の芸術だと錯覚するような事が起きなかった
  • とにかく展開が早い、台詞回しも早い。ただしそのセリフは、作品内での政治世界のリアリティーを作り、維持するのに無駄なものが1つもなく、お話の裏で何がどう動いているかがしっかり分かる
  • 劇場でた後だと誰がどの顔でどの役をやっていたか思い出したり検索するのが難しいけど、劇中での役割や使命は一人一人描かれてキャラも立っていたし、劇が終わった後に誰が誰だったかを忘れるというのは、むしろあの作品の規模、個人が立ち向かうのではなく国が国を、組織が人々を守るために動くという規模の話にはマッチしている
  • ゴジラの生物的な原理から国民への事態の報道、軍事作戦まで詳細に描かれているのは、ゴジラという破壊と恐怖の象徴の側を多角的に成長させるのではなくて、ゴジラをとりまく人々を現代の映画をはじめとした作品の価値観や空気に合うようにクオリティを上げ、複雑化させていっている。それは怪獣映画という、一種の災害を扱った作品にとっては間違いの少ない正しい成長の仕方だと思う

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