2016-08-08
第五十二話
天希とスエラは向かい合った。スエラは憎悪の目で天希を見ていた。対する天希は、スエラを見ると言うよりも、その瞳の奥にある何かを捉えようとしているかのような目だった。 柱の前に立つ君六、うっすらと目を開いたカレン、壁から這い […]
2015-03-10
第五十一話
スエラ・フォレストは水の中で禍々しく笑った。天希達は水中で身動きを取ろうとするが、思い通りに移動することもできなければ、浮き上がることもできない。水の流れは完全にスエラが掌握しているのだ。 「ガボ・・・」 最初に可朗が気 […]
2015-03-07
第五十話
「奥華・・・?」 天希はそれ以上前に進まなかった。広間の冷たい壁と、今自分の目の前にいる少女が同じ色に見えた。 「・・・ごめん」 奥華は非常に聞き取りづらい声でつぶやいた。皆思わず耳を前に乗り出した。 「ごめん・・・みん […]
2015-03-01
第四十九話
カレンは目を開いた。自分が床に倒れているのには気がついた。しかし、まるで荒波に晒されたように体の感覚はうねりを続けていて、周りの様子が掴めない。 「くおっ・・・!」 可朗はドラゴナ達の接近を阻んでいた。狭い廊下を前後から […]
2015-01-28
第四十八話
天希はエルデラに助けられた。天希を追っていたドラゴナ達は、エルデラに崩され粉々になった階段とともに落下していった。 「サ、サンキュー、エルデ・・・」 天希は口をつぐんだ。エルデラの顔に隠しきれていない憤怒の表情があったか […]
2015-01-02
第四十七話
【テ、テメエェエエェ・・・!】 禍瑪は立ち上がり、天希を睨みつけていた。一方、天希は咄嗟に繰り出した先程の攻撃の感覚を思い出していた。 「こんなのも、できるのか・・・」 自分の掌に目をやっていた天希だったが、禍瑪の咆哮を […]
2014-12-20
第四十六話
かくして、天希達はドラゴナの村へ迎え入れられた。二本足で立ち、通じはしないものの同じように言葉を話し、挨拶の時に手を上げるという共通点が、壁を越えて彼らを繋げていた。 「ありがとうございます」 可朗は正座をし、もてなしの […]
2014-12-17